循環器内科医の本棚

循環器内科医による患者さん、一般内科医、研修医のためのブログ

肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症の抗凝固療法

肺血栓塞栓症(PE)・深部静脈血栓症(DVT)の抗凝固療法についてまとめました。 PE/DVTの経口抗凝固薬 使用される薬剤は表のとおりです。DOACの中でもダビガトランはPE/DVTの適応がありません。 PE/DVTの経口抗凝固薬 初期にヘパリンを使用する場合 初期に…

心不全のβ遮断薬

心不全に対してβ遮断薬は予後を改善する欠かせない薬剤です。 カルベジロール(アーチスト)、ビソプロロール(メインテート)の2剤が保険適応となっています。2剤の特徴をまとめました。 カルベジロールとビソプロロールの違い 使用するときの注意 今日の本…

アミオダロンの使い方

アミオダロンはⅢ群抗不整脈薬に分類される、マルチチャネルブロッカーです。 適応は①VT/VF ②心不全を伴うAF に使用されます。 アミオダロン静脈注薬 1) VT/VFによる心肺停止 2) 蘇生後のVT/VF、血行動態安定しているVT/VF、VT/VFの抑制 アミオダロン内服薬 …

血液サラサラの薬にまつわるQ & A

前回は血液サラサラの薬が何かをご紹介しました。 まだ読んでいない方はこちらから>> 今回は血液サラサラの薬にまつわるQ & Aと題して患者さんに実際に受けた質問をご紹介したいと思います。 Q1 私って血液サラサラの薬を飲んでいますか? Q2 血液サラサラの…

患者さんのための 血液サラサラの薬の基礎知識

「血液サラサラの薬」ってよく聞くと思います。 採血のとき、歯の治療をするとき、胃カメラや大腸カメラ、手術を受けるとき、「血液サラサラの薬を飲んでいますか?」必ず聞かれますよね。 「血液サラサラの薬」って何でしょうか?

患者さんのための パルスオキシメーター

コロナですっかり一般の方々にもなじみとなった、パルスオキシメーター(酸素飽和度測定器)。 何がわかるの?どのような仕組み?使うときに注意することはあるの? これらの疑問に答えていきます。

患者さんのための 心臓の基礎知識

心臓について患者さん向けに解説しています。

患者さんのための 危険な胸痛の特徴

胸が痛くなる病気には心臓、血管、肺、食道、胃、筋骨格系、精神的なものなど多岐に渡りますが、胸が痛い病気の中には心筋梗塞など命に関わるこわい病気が含まれている場合があります。 症状だけでは病気を診断することはできませんが、典型的な要注意症状を…

γ(ガンマ)計算 わかりやすい早見表

γ計算で投与する薬剤、いちいち計算が面倒ですよね。ドパミン、ドブタミン、ノルアドレナリン、ランジオロール、hANPのγ計算早見表を作成しました。

こんなときどうする?発作性心房細動 入院編

入院中の患者さんの発作性心房細動は珍しくありません。どのように対処したらよいでしょう?

アスピリンの抗血小板作用-アラキドン酸カスケード

アスピリン内服患者の出血に血小板輸血は必要?それとも不要?アスピリンの抗血栓作用を説明します。

心アミロイドーシスを疑う所見

心不全、徐脈性不整脈、心房細動の背景に心アミロイドーシスが隠れていませんか?どのような場合に心アミロイドーシスを疑ったらよいでしょうか?

アミロイドーシスを診断する

アミロイドーシスは全身に症状を来す病気です。初期には非特異的な症状を来すため、なかなか診断されにくいのが現状です。しかし、今、新しい薬剤の開発により疾患を診断することの重要性が高まっています。 まずはアミロイドーシスを理解し、疑うことが、早…

心筋梗塞後の患者さんに必須の薬4つ

心筋梗塞を起こした患者さん、無事に退院した後も再発予防、心不全の予防やコントロール、気を使わなければならないことがたくさんあります。 心筋梗塞後の患者さんは4つの薬が必須になります。ちゃんと全部入っていますか?

医師のための英会話、どのタイプがいい?

英語ってずっとついて回りますよね。留学する人はもちろんのこと、今は国内学会でも英語で発表、質疑応答を行うものもあります。 英会話を始めたいと思っている方に向けて、いろんなタイプの英会話を経験した筆者がレビューしたいと思います。

抗血小板薬2剤(DAPT)は一生飲み続けるの?

心筋梗塞や狭心症に対して経皮的冠動脈形成術(PCI)を行い、抗血小板薬2剤(DAPT)が始まりました。いつまで飲み続ければよいのでしょうか。

心不全患者さんの外来管理で気を付けること3つ

心不全患者さんが入院治療を終え、無事退院することになりました。入院は総合病院で、外来はかかりつけの先生方に任されることも多いかもしれません。外来管理の際に気を付けることとは?

とりあえずのラシックスにご用心!心不全入院治療編

心不全で入院している患者さん。うっ血や浮腫が改善しないからといって「とりあえずラシックス!」になっていませんか?心不全に対する利尿薬は必須ですが、適切な利尿薬の使い方をするようにしましょう。

CS1心不全 救急外来での対応の実際

救急外来にCS1心不全の患者さんがやってきたら? 75歳男性。数日前から労作時の息切れを自覚していました。今日の夜に急に苦しくなっていてもたってもいられなくなり、救急車を呼び、搬送されてきました。 さて、どうしますか?

心不全の基礎知識 分類と病態

内科医、研修医なら見ない人はいないというくらいの頻度の高い心不全。心不全と言ってもたくさんの病態が含まれています。今日は研修医も知っておくべき心不全の基礎知識をまとめました。

本紹介:心電図の読み方パーフェクトマニュアル

これから心電図を勉強する研修医にお勧めの1冊!

抗凝固薬の使い分け

心房細動に対する抗凝固薬、どれがいいですか? とよく聞かれるのですが、エビデンスとしてDOAC4種類はどれも大差がありません。そのため、ガイドラインでも「この薬がとくによい!」というものはなく、「抗凝固薬」としてひとまとめに扱われています。どれ…

ペースメーカーの基本

今回はペースメーカーの基本について説明します。 ペースメーカー ペースメーカー患者の心電図 ペースメーカーのモード AAI VVI DDD その他 今日の本 ペースメーカー ペースメーカの適応は徐脈性不整脈です。 日本循環器学会ガイドラインでは洞不全症候群、…

こんなときどうする?Brugada心電図

「健診でBrugada心電図 Type2を認めて受診されました。既往歴、失神歴、家族歴などなく、リスクは低そうです。どうしたらよいでしょう?」 Brugada心電図、健診でよく引っかかってくる若年~中年の男性は多いのではないでしょうか?Brugadaの中にも心室性不…

ペースメーカー、ICDが入っている患者さんの処置

ペースメーカ、植込み型除細動器(ICD)が植え込まれている患者さん。MRI撮れますか?電気メス使ってもいいですか?

本紹介:糖尿病診療のエビデンス

糖尿病の薬って多すぎる!結局どれを使えばいいの?という疑問から手に取った本です。 最新 糖尿病診療のエビデンス 改訂版 作者:能登 洋 発売日: 2019/08/22 メディア: 単行本 安定のメトホルミン この本には糖尿病にまつわるたくさんのエビデンス、解釈の…

こんなときどうする?心房粗動

新企画 「こんなときどうする?」 実際に循環器専門外の先生から受けた相談やご質問をシェアするコーナーです。 同じような症例で困っていませんか? ※必ずしも正解の対応かはわかりませんが、参考にしていただければと思います。また、こういう対応のほうが…

心房細動アブレーション どんな患者さんが適応?

心房細動の治療は ①抗凝固療法 ②リズムコントロールまたはレートコントロール この2点に集約されます。 リズムコントロール VS レートコントロール カテーテルアブレーションのメリット カテーテルアブレーションがおすすめな患者さん あまりおすすめでな…

心房細動の抗凝固療法 1)どんな患者さんに行うか?

健診異常、入院スクリーニングでとった心電図でたまたま心房細動(AF)だった! 心房細動に遭遇したら、まずは何といっても脳梗塞予防の抗凝固療法です。 誰に抗凝固療法を開始するか? 出血のリスク評価 抗凝固薬を処方しよう 参考 今日の本 誰に抗凝固療法を…

高LDL-C血症を見たら:一次予防

高コレステロール血症が動脈硬化のリスクになり、さまざまな心血管イベントを起こすことは改めて説明するまでもないと思います。 特に既往はないけれど、健診異常や血液検査を行ったらたまたまコレステロールが高かった。今日はそういう一次予防の場合につい…