心不全、徐脈性不整脈、心房細動を来す患者さん。これらに対して治療するのはもちろんですが、背景に基礎疾患が隠れていないかどうかを検索することが大変重要です。
治療が可能な疾患が隠れていないでしょうか?
どういう所見があった場合に心アミロイドーシスを疑うか?症例の画像を提示しながら説明します。
心電図
左が1年前、右が現在です。1年間で全体的にR波が減高しており、Ⅰ度房室ブロックも見られるようになっています。1年間でこんなに心電図が変化することは普通ではないので、進行性の心筋症を疑って検査をしていきます。
エコー
著明な壁肥厚を認めます。特に中隔ではgranular sparkling signと言って高輝度の部位が見られることもあります。ただし、見られる頻度は低いです。
心臓MRI
エコーと同様、壁運動の肥厚は認められます。
その他late gadolinium enhancement(LGE)といってガドリニウム造影剤が心筋に残ってしまう、心筋障害を示唆する所見を呈することがあります。矢印で示されているように心内膜側に造影剤がたまっている所見を認めます。
心筋生検
生検でアミロイド蛋白が証明されれば確定診断となります。コンゴーレッド染色やDFT染色が使われます。上の写真では赤く染色されている部分がアミロイド蛋白です。アミロイド蛋白が認められれば型の判定をするために免疫染色が追加されます。
まずは心電図やエコーからアミロイドーシスを疑い、診断に結び付けましょう!
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