今日は心臓について解説していきます。
心臓を外から見た!心臓のポンプ機能
心臓の第一の役割は全身に血液を送り出すポンプの機能を果たすことです。
心臓から送り出された血液は大動脈を通って全身をめぐり、臓器や筋肉に酸素を与えて使われた血液が上大静脈、下大静脈から心臓に返ってきます。返ってきた血液は肺できれいにされて(酸素を与えられて)、左右の肺静脈を通ってまた心臓に入り、大動脈から送り出されるということを繰り返しています。
心臓(左心室)→大動脈→臓器や筋肉→上大静脈・下大静脈→心臓(右心房→右心室)→肺動脈→肺→肺静脈→心臓(左心房)→初めに戻る
肺できれいにされた(酸素をいっぱい含んでいる)血液が流れるところを赤、臓器や筋肉で使われた(酸素が少ない)血液が流れるところを青で示しています。
さて、心臓は全身に血液を送り出していますが、心臓自身はどうしているのでしょう?
心臓は筋肉、冠動脈から栄養をもらう
上の図の心臓の表面に細い血管が描かれています。これが冠動脈といって心臓を栄養する血管です。大動脈の根本から冠動脈が枝分かれしてこれが心臓に酸素を送っているわけです。心臓は心筋という特殊な筋肉でできています。筋肉であるので、収縮したり拡張したりしてポンプの機能を果たせるのです。
この冠動脈が詰まってしまうと心筋に栄養がいきわたらず、心臓の筋肉が死んでしまいます。心臓は全身の中でもとりわけ酸素を必要とする臓器なので、血流が途絶えてしまうとすぐ死んでしまうのです。これが心筋梗塞や狭心症という病気です。
心臓を中から見た!心臓を動かす仕組み
大事なポンプの機能を持っている心臓。心臓が止まってしまうと、全身に血液を送り出せなくなってしまい、死んでしまいます。そのため、心臓は無休で働き続ける仕組みがなくてはなりません。それをつかさどっているのがペースメーカー細胞という特殊な細胞です。
上の図の洞結節、房室結節というところはペースメーカー細胞でできていて、とっても働き者です。何の命令がなくても自らずーっと働き続けています。中でも一番働き者なのが洞結節。洞結節の命令により、心臓の収縮がスタートします。図の赤矢印は命令が伝わる順番を示しています。血液の流れではないので注意してください。命令は洞結節→房室結節→ヒス束→右脚・左脚というように命令が伝わり、全身の心筋が動くという仕組みです。洞結節が社長、房室結節が部長、ヒス束が課長、右脚・左脚が平社員ってところでしょうか。上からの命令がどんどん下に伝わります。社長が一番働き者、できた会社ですね。
この命令が伝わる仕組み(上の図の赤い矢印)は電気回路によく例えられます。
この電気回路の異常が不整脈です。
心臓は全身の中でも特殊で大事な臓器です。病気のお話はこれらの基礎知識を踏まえて、また書いていこうと思います。