循環器内科医の本棚

循環器内科医による患者さん、一般内科医、研修医のためのブログ

アミオダロンの使い方

アミオダロンはⅢ群抗不整脈薬に分類される、マルチチャネルブロッカーです。

適応は①VT/VF ②心不全を伴うAF に使用されます。

アミオダロン静脈注薬

1) VT/VFによる心肺停止

 まずはACLSが重要!ACLSのフローにしたがってアミオダロンを投与します。

 アミオダロンを投与する場合には

 初回投与:アミオダロン300㎎ ボーラス

 2回目以降:アミオダロン150㎎ ボーラス

 

2) 蘇生後のVT/VF、血行動態安定しているVT/VF、VT/VFの抑制

①→②→③の順で使用方法を切り替えます。

 ①急速投与 アミオダロン125㎎(5/6A)+5%ブドウ糖100ml 

      10分間で投与

 ②負荷投与 アミオダロン750㎎(5A)+5%ブドウ糖500ml

      33ml/h 6時間投与

 ③維持投与 アミオダロン750㎎(5A)+5%ブドウ糖500ml

      17ml/h 42時間投与

 

内服薬への切り替えが必要となる場合、維持投与中に内服を併用します。

内服薬は効果発現までに2週間ほど要します。

アミオダロン内服薬

・VT/VFで点滴静注からの切り替えを行う場合の例

400㎎ 分2(~2週間)

200㎎ 分2(2週間~)

・以降は定期的にTDMを行い、用量調整を行う

・副作用:甲状腺機能異常、間質性肺炎

・内服投与前の甲状腺機能(TSH, freeT3, freeT4), 間質性肺炎のマーカー(KL-6, SP-D)は必ずチェックし、数か月おきにフォローする。

・甲状腺機能低下の場合は、チラーヂンを内服しながら継続する場合もあります。

今日の本

「循環器治療ファイル」は初版が2002年で、現在3版となっています。なぜ、その薬を選ぶのか、使い方だけでなく考え方を学ぶことができるのでおすすめです。

「循環器薬の選び方と使い分け」はコンパクトにまとめてあり、とても読みやすいです。研修医、循環器レジデント、循環器を専門としない内科医にもおすすめです。