健診異常、入院スクリーニングでとった心電図でたまたま心房細動(AF)だった!
心房細動に遭遇したら、まずは何といっても脳梗塞予防の抗凝固療法です。
誰に抗凝固療法を開始するか?
ずばり、CHADS2 score 1点以上の場合は抗凝固療法を開始します!
CHADS2 scoreの中でも特に年齢、高血圧、脳梗塞やTIAの既往はその項目のみで有意な因子とされています。
0点の人には必要性を個々に判断することが必要です。例えば、他に既往のない若者であれば不要ですが、左房が拡大していて持続時間が長いことが示唆されれる持続性心房細動患者70歳であれば、0点でも抗凝固療法を開始することが多いと思います。ただ、0点=脳梗塞のリスクがないわけではないので、0点で抗凝固を導入しない場合にも患者さんにリスクの説明が必要です。
出血のリスク評価
出血のリスク評価にはHAS-BLEDスコアを用いることになっており、3点以上が出血ハイリスクです。出血リスクを評価したうえで抗凝固を導入するか決めましょう。
抗凝固薬を処方しよう
いよいよ抗凝固薬の開始です。
直接経口抗凝固薬(DOAC)、ワルファリンの選択肢がありますが、これから新規に始める患者さんの場合はほとんどがDOACを使用します。PT-INRでの管理が不要、食事制限が不要という簡便さがあります。ただし、下記の場合はワルファリンを使用します。
・高度の腎機能障害の場合(DOAC禁忌のため)
・もともとワルファリンを内服していてコントロールがよい患者さんの場合(DOACになるとかなり値段が上がるので)
・DOACを内服していたにも関わらず、脳梗塞を発症した場合
DOACは4種類あります。使い分けについては次回ご紹介します。
参考
2020年改訂版不整脈薬物治療ガイドライン 日本循環器学会
循環器学会のガイドラインはオンラインで公開されており、だれでも読むことができます。
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